易の成立年代―屯卦の字形から

易に「屯」という卦がある。

屯は、音「張倫反」(ちゅん)で、難む(なやむ)の義―とされる。

彖伝では、剛爻と柔爻が始めて交わって震を生じ、また坎の難み生じて、坎険の中に震動しようとする卦。

さて、屯という字。

説文解字では、草木が始めて地上に芽を出し、伸びなやむさまに象る。
白川静の『字統』によると、「卜文・金文の字形は草木初生の象とはみえず、織物の縁飾(へりかざり)として、大きな結びをつけた形である」とある。
さらに続けて、「屯難の意は易、屯卦の義から出たもので、字の形義とは関係がない」とある。


説文解字は、後漢の許慎の作で紀元100年の成立とされる。
金文は、殷金文から西周金文、東周金文、秦漢金文まであり、それぞれ年代が異なる。

とすれば、屯卦の成立は、説文解字より前で、かつ金文後ということになるのだろうか。
少なくとも、周の文王、周公旦の作ではなさそうだ。
易の成立は意外と新しいのかも知れない。

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